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皆様が股関節の痛みや脱臼の不安感に悩まされることなく、日常生活を送る手助けができれば幸いです。気になることがあればお気軽にご相談ください。
目次
術後のリハビリ
リハビリ経過の例
入院期間は、患者さんにより個人差がありますが、おおよそ術後10日前後。

手術当日は全身麻酔をかけているため、ベッドで安静にしますが、翌日は歩行器を使って歩行訓練を行い、術後3日目には一本杖で歩けるでしょう。
術後5日目には、杖無し歩行や階段歩行を練習して、歩行が安定してきたら退院です。
なお、吸水性の糸で縫うため、術後の抜糸で来院する必要はありません。
早ければ、術後2日で退院
これは、ある患者さんの手術前から術後10日目までのリハビリ経過です。
手術前は脚を引きずっていましたが、術後簡単な歩行訓練を行うだけで、すいすいと歩くことが可能になりました。
また、この女性は手術翌日にすでに自立した患者さんです。術後2日目には、予定していたリハビリがすべて可能になりました。
術後のリハビリの早さには、個人差がありますが、10日前後で歩き方は安定します。
手術後のスポーツ復帰例も参考にしてください。
輸血と感染症リスク
ゼロではない感染症リスク
人工股関節手術は骨を削ったり切ったりする手術ですので、昔は輸血を準備して行うのが当たり前の時代がありました。今でも、自己血貯血と言って手術の2~3週間前から自分の血を貯めておいて、術後に体に戻す方法をとっている病院もあります。
他人からの輸血は、感染症のリスクがゼロではありません。現在はさまざまな工夫により、輸血(自己血輸血を含めて)はどんどん減っております。
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手術手技の発達により無輸血手術が可能に
私自身、以前から止血剤(トラネキサム酸)の使用とドレーンを使用しないことで、無輸血手術を行っています。さらに近年は、筋肉・腱を切らない低侵襲な手術手技の確立と手術時間の短縮により、出血量がときに100ml(通常の献血が200~400ml)を切ることもあります。
なお、自己血貯血(手術前にあらかじめ血液を貯血する方法)は必要性を感じていないため、行っておりません。
宗教上などの理由で輸血を拒否される患者さまにおいても、閉鎖式血液回収装置の使用により安全に手術を行えることをお伝えして、リスクとベネフィットを充分に説明させていただいた上で手術を行っております。
幸いなことに、一度も大きなトラブルはなく、術後経過も良好であります。
なお、宗教上の理由による絶対的無輸血手術をご希望の患者さまは、板橋中央総合病院を受診してください。日本大学病院では対応しておりません。
入院期間や費用
入院期間は術後10日前後
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手術日が決まったら、その前日に入院します。手術が終わればその日はベッドでおとなしく寝ておきます。麻酔は全身麻酔で行いますので、麻酔がしっかり覚める前に歩いたりすると危険です。
術翌日から歩行器を使った歩行訓練を行い、歩行が安定してきたら退院です。
患者さんにより個人差がありますが、おおよそ術後10日前後には退院可能となるでしょう。
勿論、早くて2~3日で退院される方もいますが、早く帰って自宅で無理をすると逆に回復が遅れるため、10日前後の入院期間が適当です。
われわれが行う前方系アプローチでは、筋肉を切離することを行わないので、術後の痛みや筋力低下が少ないのが特徴です。
以前行っていた後方アプローチと比較すると、術後のリハビリがスムースで入院期間の短縮にもつながっています。
費用は制度利用で自己負担額を抑える
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日本では、ほとんどの人が国民健康保険に加入しています。その中に、高額療養費制度というものがあり、一定以上の高額な医療費を国が助成して払ってくれます。
例えば、人工股関節手術で2週間入院して、210万円ほど医療費がかかるとします。
しかし、高額医療費制度を利用するので、
8万100円+(210万円-26万1000円)×0.01=9万8430円
自己負担額は、9万8430円となります。
ただし、年収によって多少支払額が変わりますので、この例はあくまでも年収370万円~770万円の場合のシミュレーションです。
痛みのある不自由な脚がたった10万円程度で、痛みのない快適な脚に変わると考えると、なんとも素晴らしい制度です。高額な医療費が国の財政を逼迫させていることを度外視すれば、日本に生まれてきてよかったと思えるよい制度であると言えます。
制限のない生活を実現するために、当院で行っている仰臥位前外側アプローチでの人工股関節手術をぜひご検討ください。
医師に聞いてみたいことがあればご連絡ください。人工股関節専門ドクター・久留隆史医師がご回答致します。日本大学病院・板橋中央総合病院にて外来受診可能です。