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輸血と感染症リスク

ゼロではない感染症リスク

人工股関節手術は骨を削ったり切ったりする手術ですので、昔は輸血を準備して行うのが当たり前の時代がありました。今でも、自己血貯血と言って手術の2~3週間前から自分の血を貯めておいて、術後に体に戻す方法をとっている病院もあります。

他人からの輸血は、感染症のリスクがゼロではありません。現在はさまざまな工夫により、輸血(自己血輸血を含めて)はどんどん減っております。

手術手技の発達により無輸血手術が可能に

私自身、以前から止血剤(トラネキサム酸)の使用とドレーンを使用しないことで、無輸血手術を行っています。さらに近年は、筋肉・腱を切らない低侵襲な手術手技の確立と手術時間の短縮により、出血量がときに100ml(通常の献血が200~400ml)を切ることもあります。

なお、自己血貯血(手術前にあらかじめ血液を貯血する方法)は必要性を感じていないため、行っておりません。

宗教上などの理由で輸血を拒否される患者さまにおいても、閉鎖式血液回収装置の使用により安全に手術を行えることをお伝えして、リスクとベネフィットを充分に説明させていただいた上で手術を行っております。
幸いなことに、一度も大きなトラブルはなく、術後経過も良好であります。

なお、宗教上の理由による絶対的無輸血手術をご希望の患者さまは、板橋中央総合病院を受診してください。

脱臼リスクが少ない手術方法、仰臥位前外側アプローチ(ALS THA)を検討している方は、ご相談に乗りますので、ご連絡ください。人工股関節専門ドクター・久留隆史医師がご回答致します。板橋中央総合病院にて外来受診可能です。