入院期間は術後10日前後
手術日が決まったら、その前日に入院します。手術が終わればその日はベッドでおとなしく寝ておきます。麻酔は全身麻酔で行いますので、麻酔がしっかり覚める前に歩いたりすると危険です。
術翌日から歩行器を使った歩行訓練を行い、歩行が安定してきたら退院です。
患者さんにより個人差がありますが、おおよそ術後10日前後には退院可能となるでしょう。
勿論、早くて2~3日で退院される方もいますが、早く帰って自宅で無理をすると逆に回復が遅れるため、10日前後の入院期間が適当です。
われわれが行う前方系アプローチでは、筋肉を切離することを行わないので、術後の痛みや筋力低下が少ないのが特徴です。
以前行っていた後方アプローチと比較すると、術後のリハビリがスムースで入院期間の短縮にもつながっています。
費用は制度利用で自己負担額を抑える
日本では、ほとんどの人が国民健康保険に加入しています。その中に、高額療養費制度というものがあり、一定以上の高額な医療費を国が助成して払ってくれます。
例えば、人工股関節手術で2週間入院して、210万円ほど医療費がかかるとします。
しかし、高額医療費制度を利用するので、
8万100円+(210万円-26万1000円)×0.01=9万8430円
自己負担額は、9万8430円となります。
ただし、年収によって多少支払額が変わりますので、この例はあくまでも年収370万円~770万円の場合のシミュレーションです。
痛みのある不自由な脚がたった10万円程度で、痛みのない快適な脚に変わると考えると、なんとも素晴らしい制度です。高額な医療費が国の財政を逼迫させていることを度外視すれば、日本に生まれてきてよかったと思えるよい制度であると言えます。
脱臼リスクが少ない手術方法、仰臥位前外側アプローチ(ALS THA)を検討している方は、ご相談に乗りますので、ご連絡ください。人工股関節専門ドクター・久留隆史医師がご回答致します。板橋中央総合病院にて外来受診可能です。