股関節が痛い時の原因と受診の目安
股関節の痛みの多くは、骨同士のクッションである軟骨がすり減る「変形性股関節症」が原因です。
「立ち上がりや歩き始めに足の付け根が痛む」「靴下が履きにくくなった」と感じたら注意が必要です。放置すると変形が進行しやすくなるため、早期の専門医受診をおすすめします。

股関節の痛む場所と痛みの特徴をチェック
「股関節が痛い」と感じるとき、痛みが出る場所やタイミングは人それぞれです。まずはご自身の症状に当てはまるものがあるか確認してみましょう。
痛む場所
- 足の付け根(鼠径部):最も一般的な痛みの部位です。
- お尻・太もも:股関節の痛みが放散し、お尻や太もも前面に痛みが出ることがあります。
- ひざ:股関節に原因があっても、ひざの痛みとして感じる場合があります。
痛むタイミング・特徴
- 動き始め:立ち上がるときや、歩き始めに痛む
- 階段の昇り降り:特に降りる際に足の付け根へ強い衝撃がかかる
- 日常動作:しゃがむ、爪を切る、靴下を履く動作がしづらい
- 安静時・夜間:じっとしていても痛む、夜間に痛む(病気が進行しているサイン)
股関節が痛む主な4つの原因
股関節の痛みの背景には、主に関節の炎症や構造の異常が存在します。専門外来で診断される代表的な病気は以下の4つです。
| 病名 | 特徴と主な原因 |
|---|---|
| 変形性股関節症 | 加齢や過去の寛骨臼形成不全(臼蓋形成不全)などにより軟骨がすり減り、骨同士が擦れて痛みます。 |
| 骨頭壊死(大腿骨頭壊死症) | 大腿骨の頭部の血流が低下して骨組織が傷つく病気です。国が難病に指定しています。 |
| リウマチ性股関節症 | 免疫の異常(関節リウマチ)によって関節膜に炎症が起き、関節が破壊されて痛みます。 |
| 大腿骨頚部骨折 | 転倒などをきっかけに太ももの付け根の骨が折れる病気です。高齢者に多く見られます。 |

受診を検討すべき「危険度の目安」セルフチェック
「まだ我慢できる痛みだから」と受診を先延ばしにしていませんか?
以下のチェック項目に1つでも当てはまる場合は、整形外科(股関節専門医)への相談をご検討ください。
- ⬜︎ 爪切りや靴下を履く動作が辛くなってきた
- ⬜︎ 15〜20分以上続けて歩くのが難しくなってきた
- ⬜︎ 階段を昇り降りする際に手すりが必要になった
- ⬜︎ 歩くときに体を左右に揺らしてしまう(足を引きずる)
- ⬜︎ 夜、股関節の痛みで目が覚めることがある
※治療のベストタイミングとは?
医療の発展により、股関節の手術やリハビリ技術は大きく進歩しています。「痛みを我慢して生活の質を落とすより、また元気に歩きたい」と思ったときが、受診や治療を考える大切なタイミングです。
病院を受診するまでの「日常の注意点」
股関節への負担を減らすため、受診までの間は以下の生活習慣を意識してみてください。
股関節に大きな負担をかける動作を避ける
正座や和式トイレの使用、重い荷物を持っての長距離歩行は股関節への負担が増大します。
体重管理を意識する
歩行時、股関節には体重の約3〜10倍の負荷がかかります。適正体重を維持することが負担軽減につながります。
無理なストレッチや自己流の運動は控える
痛みを和らげようとして無理に伸ばすと、炎症を悪化させることがあります。適切な運動療法は医師や理学療法士の指導のもとで行いましょう。
よくある質問
Q1. 何科を受診すればよいですか?
A. まずは「整形外科」を受診してください。特に股関節の治療実績が豊富な専門医や、股関節外来のある病院を選んで相談することをおすすめします。
Q2. 股関節が痛くなったら、すぐに手術が必要になりますか?
A. 必ずしもすぐに手術となるわけではありません。病状の進行度に応じて、まずは運動療法や薬物療法などの「保存療法」から検討します。保存療法でも改善が見られず、日常生活に著しい支障が出る場合に人工股関節置換術などの手術療法をご案内します。
Q3. 家族(高齢の親)が受診を嫌がるのですが、どうすればよいですか?
A. 「手術を強制されるかもしれない」という不安から受診を拒否されるケースは多くあります。まずは「今の骨の状態を画像で診てもらうだけ」「話を聞くだけ」という形で、ご家族と一緒に専門医のメール相談や外来を活用いただくのがおすすめです。
股関節の痛みにお悩みの方へ
久留医師の無料メール相談
「病院に行くべきか迷っている」
「他の病院で診てもらったが、今後の治療法についてセカンドオピニオンを聞きたい」
股関節の痛みは、適切な診断と対策を行うことで改善への道が開けます。我慢を続けず、まずは一度専門医にご相談ください。
当サイトでは、人工股関節手術の専門医である久留隆史医師が、患者様やご家族様からのご質問・ご相談にメールでお答えしています。どうぞお気軽にお問い合わせください。

板橋中央総合病院 整形外科診療部長や日本大学病院 整形外科病院教授を経て、板橋中央総合病院の整形外科非常勤医師として執刀。
日本整形外科学会専門医、日本人工関節学会認定医の資格を保有。
最小侵襲の人工股関節置換術を専門として行う。
気になることがあればお気軽にご相談ください。