人工股関節の両側同時手術とは
変形性股関節症で、両側の股関節が変形していて、痛みが両側に同じくらいある患者さんもいらっしゃいます。多くの病院では片側ずつ、二回に分けて手術を行います。当院では、患者さんから希望がある場合は、両側同時手術も行っています。
両側同時手術の長所と短所は?
長所
- 入院・リハビリ期間が短くなる
- 入院費用が抑えられる
- より早く、左右差なく歩けるようになる
両側同時手術を行うと、リハビリも同時に行うことになります。入院・リハビリを考えると、長所が多いですね。それでは短所はあるのでしょうか?
短所
- 手術時間が二倍になる
- 出血量が二倍になる
- 手術直後に痛む箇所が二カ所になる
二カ所を手術するため、片側ずつ手術する場合に比べて、様々なことがまとめて一度に起こります。
両側同時手術後の経過は?
こちらは、当院で両側同時手術を行った患者さんの経過です。
手術前は杖が離せず、段差をうまく超えられないので外出も限られていましたが、人工股関節の両側同時手術を行ってからは痛みもなくなって杖無し歩行が可能になりました。
たった二週間の入院で、両側の手術が一回で済んだので、悩まずに早くやればよかったと笑顔を溢していました。
同時手術を行うかどうかは病院による
両側同時手術を行っているかどうかは病院によって異なります。
患者さんによっては、「痛いことを二度もするのはイヤ! どうせなら一度で両側とも終わらせたい!」と考える方もいらっしゃいます。
当院では、両側同時手術の希望がある患者さんには、両側同時に行う場合と片側ずつ行う場合の長所と短所を全てお話ししています。その上で、患者さんご自身の判断でどちらにするか決めてもらっています。
いずれにしても、手術を行う側の医療者としては、両側に同じだけクオリティの高い手術を提供できるように取り組むことを肝に銘じて、まい進しています。
脱臼リスクが少ない手術方法、仰臥位前外側アプローチ(ALS THA)を検討している方は、ご相談に乗りますので、ご連絡ください。人工股関節専門ドクター・久留隆史医師がご回答致します。板橋中央総合病院にて外来受診可能です。